「ニャンとも清潔トイレ」に関する事業は、2024年6月より花王株式会社からエステー株式会社に事業譲渡されました。
9カ月のオス猫(雑種)です。生後2カ月のときに、ペットショップで購入したのですが、性格がとにかく凶暴です。獣医さんには「洋猫(おそらくシャム猫)の血が混じってるようなので、少し気性が荒いかも」と言われました。
成長期のオス猫なので、活発なのはわかっていますが、度を越しているようで心配です。猫がかみつく場合、こちらが触りすぎて不快感で反撃してくるのなら、まだ理解できます。しかし、ルイは何もしていないときに、飛びかかって攻撃してきます。例えば、テレビを見てボーッとしているときなどに、頭にガブッ、腕にガブッと。しかも、ジャレて甘噛みするのとは訳が違います。本気で痛いんです。なるべく叩かないように、大声で叱っています。それでもやめないときは、手が出てしまいます。
猫好きの私は、さほど苦になりませんが、家族や来客の方にはかなり迷惑をかけています。この凶暴な性格は、どうしたら直せますか。去勢手術をしたら、おとなしくなるというのは本当ですか。
(ユカリンゴさん)
何もしないのに噛みつくとのことですが、一口に噛みつくといっても、さまざまな種類の攻撃行動があります。その原因によって、対処の方法も異なります。
例えば、これが縄張りの主張や競争から起こる攻撃行動である場合は、去勢手術はとても有効な手段のひとつといえます。しかし、攻撃の種類によってはあまり効果が期待できないこともあります。原因を探るために、今後はルイくんがどのような状況のときに攻撃してくるのかをメモしておくことをおすすめします。
ご相談文を読んだ限りでは、飼い主さんのおっしゃるように愛撫によって誘発される攻撃行動ではないと思われます。生後2カ月でお宅に来たということなので、可能性が一番高いのは捕食性、および、遊びの攻撃行動です。通常、子猫たちはお互いに忍びよったり、飛びついたりといった、兄弟同士の遊び攻撃から優秀なハンターとなるための技術を身につけていきます。
生後6カ月くらいになると、遊びのケンカでも相当に激しい攻撃が現れてきます。人間を相手にした遊びの攻撃でも、かなり本気で噛みついてくることがあります。捕食性の攻撃は、獲物を探して、忍びより、飛びつき、食べるという段階からなっています。
本来ならば、獲物を捕るという狩猟で使うエネルギーを、家猫の場合、使うことがないので、その結果のひとつとして動いている物すべてに対して、捕食性の攻撃行動が起こってしまうことがあります。
なかには、家族や来客も容赦なく、獲物扱いする猫もいます。飛びかかって来るとき、獲物を狙っているときのような仕草は見られませんか? 遊びの攻撃がやや激しくなりすぎているような子猫は、母猫であれば、ぴしゃりとぶつことがあります。
ただし、人間の場合は手で叩いたりすると逆効果で、攻撃行動や乱暴な遊びを悪化させてしまうことがあるので、注意が必要です。
人間の足を狙ったりする猫は、運動と刺激が不足していることが多いので、もっと遊んであげたり、飼い主さんがいなくても遊べるよう、ユラユラ動くおもちゃを与えてあげたりするのも効果的です。
それでも人間の手や足に対しての攻撃が続く場合は、よく噛んでくる部位に柑橘類の汁や苦い味のするものを塗っておいて、噛み付くことといやな味を関連づける方法もあります。飼い主自体を敬遠する可能性もあるので、実施する場合はかかりつけの獣医師に相談の上、行ってください。
上記の行動以外にも、恐怖による攻撃や痛みによる攻撃なども考えられます。その場合は、動物行動学の専門家のカウンセリングが必要になるケースもあります。様子 をよく観察していただくことはもちろん、動物病院で体に異常がないかどうかを確認されることもおすすめします。
(回答:Tokyo Cat Specialists 院長 山本宗伸先生)