「ニャンとも清潔トイレ」に関する事業は、2024年6月より花王株式会社からエステー株式会社に事業譲渡されました。
4歳のロシアンブルー(オス)と暮らしています。地震や水害など、各地で起こっている災害のニュースを見るたびに、もしそういう被害にあったときにペットをどう扱えばいいのか、とても不安に思っています。公民館などで集団での避難生活を送らなくてはいけなくなった場合、どうしたらいいのでしょうか? また日ごろから準備しておくものや備えておいた方がいいことなどあれば、教えてください。
(もんにゃんさん)
地震が起きたら、まず飼い主さんが落ち着くことが第一です。大きな地震の直後は、揺れや音、倒れた家具などで、人間も動物もパニックになっていることが予想されます。周囲の状況を把握してください。
落ち着いてから動物の様子を確認しましょう。意識はあるか、呼吸しているか、 怪我をしていないかなどを確認します。
猫はパニックになっていると、恐怖から飼い主さんを攻撃してしまうこともあります。急に手を出したりせず、バスタオルなどでくるんでキャリーケースに入れてあげるとよいでしょう。暴れたり、逃げ出したりすると危険ですので、移動には必ずキャリーケースを使用しましょう。
避難場所には多くの人が集まって来ますので、必ずしも動物が好きな人ばかりとは限りません。飼い主の責任において、周囲の人への配慮が必要とされます。そのためにも、以下のことは普段から心がけておきたいですね。
避難場所によっては、多数の動物が集められた状態になります。病気の感染予防のためにも定期的なワクチン接種は大切です。また、避難所の衛生保持のためにも、ノミ・ダニを予防し、常に清潔にしておきましょう。
保護施設等に預けられた場合を考え、普段から飼い主以外の人や物、ケージ生活に慣らしておくことができたらより良いでしょう。
保護施設での集団生活や、万が一逃げ出してしまった場合を想定して、避妊・去勢をしておくことをおすすめします。
住民の公的避難場所は、動物と同室で避難できない場所が多いです。あらかじめ、住んでいる市町村に緊急時の動物の避難場所を確認しておき、同室で避難したい場合は避難所以外の場所も考えておくことが必要です。
公的な支援が始まるのは、発災から48~72時間後と言われています。このため最低でも2~3日、基本的には7日間分を用意しておくと良いでしょう。
安全に避難場所に移動するために、キャリーケース、バスケットなどを、一頭につき、ひとつ用意しておきましょう。
動物の名前、飼い主の名前、連絡先を記入して、普段から首輪などにつけておきます。災害時には動物が逃げ出して行方不明になることも考えられます。飼い主不明の場合、一定期間以上を過ぎると、里親を捜すことになってしまいます。保護された時に飼い主がわかるようにしておきましょう。
なお、近年ではマイクロチップ※の挿入が一般的になっています。名札を嫌がる猫にもおすすめです。
※マイクロチップは、ペットの皮下に埋め込む個体識別のための電子標識器具で、埋め込みは動物病院で行います。迷子札のように外れることがないのがメリットです。
消毒液、化膿止めなどの救急セットの他、持病の薬など。慢性の病気がある場合は、予備の薬を用意すること。獣医さんに正確な薬品名を聞いておくことも大事です。
飼い主の連絡先、自宅以外の連絡先、病歴、かかりつけの病院の名前と連絡先、ご飯の好みや健康状態を書いておくと、預け先で役にたちます。愛猫の写真もあればいなくなった時の手がかりになります。
ペットシーツ、ネコ砂、トイレ、タオル、古新聞、ウェットティッシュなど。 いざというときに、愛猫の命を守れるのは飼い主さんだけです。普段から被災した場合に備えて、準備しておくことをおすすめします。
(回答:Tokyo Cat Specialists 院長 山本宗伸先生)