「ニャンとも清潔トイレ」に関する事業は、2024年6月より花王株式会社からエステー株式会社に事業譲渡されました。
3歳のオス猫です。実家の猫なのですが、猫白血病と猫エイズに感染しているようです。長くて3年と言われたようです。白血病で骨髄を取り出す手術をしていて、今まだ入院中らしいのですが、猫白血病と猫エイズは、どのように進行するのでしょうか。猫から人間に感染することもあるのでしょうか。病院では感染しないといわれたらしいのですが、母が不安がっています。病気の猫には、何をしてあげられるのでしょうか。
(えみさん)
猫白血病は、比較的若いときに感染しやすいのが特徴で、ウイルスが唾液中にも分泌されるため、猫同士がなめあったりするだけでも感染する可能性があります。一方、猫エイズウイルスは、血が混じり合うような咬傷や外傷から感染します。いずれも感染すると、免疫不全を起こさせたり、腫瘍をできやすくしたりするウイルスです。
猫白血病ウイルスは、白血病はもちろんのこと、貧血や免疫力の低下、流産、リンパ腫など、さまざまな病気の原因になり、感染・発病した猫の多くは、3~4年以内に死亡するという恐ろしいウイルスです。しかし、猫白血病用のワクチンが開発され、予防することが可能となりました。また、感染しても、必ずしも、持続感染(つねにウイルスが体のどこかで増えている状態)するわけではなく、自力で治す猫もいます。しかし、えみさんの猫の場合は、おそらく持続感染となってしまっているのでしょう。念のため数週間あけて再度検査することをお勧めします。
猫エイズウイルスに感染すると、最初の数か月は、リンパ腺が腫れたり、軽い下痢をくり返したり、細菌感染が治りにくかったりしますが、そのうち症状が一旦なくなります。この時期を無症候キャリア期と呼びます。その後、慢性の病気が徐々に進行します。エイズ関連症候群期と呼ばれる、口内炎や風邪症状、貧血、発熱、食欲不振などの症状が現れます。病気に対する抵抗力が衰えて、何でもない傷が化膿したり、眼や鼻から、いつも分泌液を出していたり、やせ細ったり、下痢や熱が続いたりすることがよくあります。
お母様は、人への感染を心配されているようですが、猫エイズウイルスも、猫白血病ウイルスも、猫から人間には感染しません。ただ、お母様は、病院の先生に「感染しない」と言われても、まだ不安に思っていらっしゃるとのこと、どうしてでしょうか。理由がわかれば、それもお聞きしたいですね。病状や治療に対して、疑問があるときは、病院にまめに通われ、担当の先生とよく話し合われることをおすすめします。
この後、病気がどう進行するか、末期にどのようになるかは、その病状によります。今から苦しむことばかりを考えずに、しっかりと病状を把握し、その時その時にできる治療に専念してあげてください。
(回答:Tokyo Cat Specialists 院長 山本宗伸先生)